いのちの車窓から
「いのちの車窓から」(星野源著)
新垣結衣さんとの結婚が発表された星野源さん。
歌手のほか、俳優、文筆業としてマルチに活躍する方。
古本屋としては、「どんな文章を書く方なのか」がとても気になる。
倉庫から引っ張り出して読んでみると、俗にいうタレント本という感じではなく、しっかりとしたエッセーが綴られている。
この本は、雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載されたものに、何篇かの書き下ろしがおさめられている。
なんと言っても、注目は「新垣結衣というひと」という篇だろうが、私は「文章」という書き下ろしの篇に、文章に対する考え方が良くあらわれていると伝わってきた。
彼は、音楽のプロ、役者のプロであることはもちろんだが、文章のプロも志している。
彼にとってのプロとは、「エゴやナルシズムなく伝えられること」が、できる人だと言う。
そんな姿勢が、フツウの人として生きる生き方となっているのだろう。
読み進めると、「欲」をなくすとうまく行くと感じさせてくれる本だ。